感覚を言葉に、言葉で感覚を

感覚を言葉にとどめ、言葉で感覚を蘇らせる

After Eight

今日のテーマは、味覚から蘇る感覚。

久しぶりにミントチョコを食べた。

ふと、あのミントチョコはどうしてるのか気になった。

かれこれ20年以上も前になる。
私はまだ大学生で、アメリカ人夫婦と多くの時間を過ごしていた。

その頃の私は、とにかく、自分とは年齢も出身も、考え方も異なる人と一緒に過ごしたかった。

だから、大学に居るときは、なるべく、自分と同じ学部(文学部)メンバーでなく、正反対の農学部生ばかりの部活に所属し、その部室に入り浸っていた。

自分と同学部のクラスメイトとも仲が悪かった訳ではないが、自分と同じような仲間といるのは退屈で無意味だと考えていた。
今、振り返ると、たぶん、自分が嫌いだったから、自分と同じような人と一緒に居たくなかったのかもしれない。
とにかく、変わらなきゃ!と焦っていた。

自分とは違う世界の人、、、その究極が異文化の香りいっぱいのあのアメリカ人夫婦だったのかもしれない。

ミントチョコ ‘’After Eight ‘’は、彼らの家に常備されていて、夕飯後に奥さんが嬉しそうに戸棚から出してきて一緒に食べた。

After Eight. .. イギリスからやってきたミントチョコ。緑色のBOXに午後8時を指した黒っぽい時計が描かれた、大人の雰囲気のチョコ。

その頃は、ミントチョコは日本であまり売られておらず、ソニープラザで買えるちょっと高額の外国のお菓子だった。

検索してみると、After Eight は、残念ながら、輸入中止になっていて、日本で入手するのが困難になっていた。

そのアメリカ人夫婦もその後帰国し、奥さんは病で亡くなった。

そして、私は、その頃のアメリカ人夫婦と同じ年齢になった。

此処ではないどこかへ行きたい、早く大人になりたい、自分を変えたいとしきりに思っていた自分はもう居ない。